元横浜ベイスターズ古木克明の打撃理論~前捌きと体重移動で飛距離アップ~
(2018年2月2日 トクサンTVより)
ダウンスイングを意識する
現在ではレベルスイングかアッパースイングが主流ですが、ダウンスイングの場合、重力も使ってスイングを加速することが出来るため、スイングスピードが上がります。
ただ、この打ち方ではポイントを手元寄りにすると大根切りのような形になってミートが難しくなるため、ポイントを前にしてなるべくレベルスイングに近い軌道にして打つことが大切になります。
しかし彼のスイングをよく見ると極端なダウンスイングにはなっていません。
ヘッドが首の横ではなく前腕の横から出ていることから、むしろレベルスイングに近い形になっています。
ヘッドの重さを使って加速する意識からダウンスイングと言っていますが、実際にはレベルスイングのようです。
踏み込み足に体重を全て載せる意識で打つ
ポイントを前にした上で体も前にスライドさせるようにしてボールに体重を乗せ、インパクト時に少し後傾することでバットが上向きの軌道となり、飛距離を出しています。
体が前後に動くのでミートの精度が落ちますが、打球は強くなる打ち方です。
軸足が前に動いてもいいと話していることからも軸足側にほとんど体重が残っていないと言えるでしょう。
このようなタイプの打ち方をする選手も一定数いますので、しっくりくれば有効的な打ち方です。
踏み込み足に第3の目があるという意識で体の開きを抑える
インパクト後に体を開くことは問題ありませんが、インパクトまでに体が開いてしまうとパワーをロスしたり、アウトコースにバットが届かないという問題が生じます。
そのため踏み込み足にも目が付いているという意識を持ち、その目でボールを見るようにイメージすると体が開かなくなるようです。
要は踏み込み足でしっかり踏ん張って壁を作るということでしょう。
引き手を意識することでフォロースルーを大きくする
現在では押し手メインの打ち方が主流ですが、押し手メインだと腕の長さの関係からフォロースルーが小さくなると考えているため、引き手メインで打っているとのこと。
さらに、軟式を打つ際はボールが潰れないように、より引き手をメインにしたバッティングのようです。
ただし、これはインパクトまでは押し手メインで、インパクト後からフォロースルーにかけて引き手1本でスイングすることをマスターできれば押し手の力を生かすことができます。
最後まで押し手でスイングしようとするとこねたようなバッティングになって遠心力を生かせず、飛距離が出なくなります。
大きなフォロースルーをしつつも押し手を使えるようになると速球に押し負けずに飛距離を出せるようになります。
ダウンスイングや引き手メインの打ち方は一昔前に主流だった打ち方になります。
レベルスイングで押し手メインの方は、参考程度に考えるのがよいでしょう。
フリー打撃で実践する
(2018年2月3日 トクサンTVより)
この打ち方はポイントを前にした上で体重もほとんど乗せられるため、真ん中からインコース寄りの速球に対しては非常に有効で、飛距離を極限まで伸ばすことができるでしょう。
しかし、ポイントが前だと外角低めや落ちる変化球が打ちづらくなります。
インコースの速球専用としてフォームの使い分けができる器用な選手にとっては1つの参考になる打ち方でしょう。
変化球の少ない小中学生の速球投手に対しては有効かもしれませんが、変化球の多い大人の野球においては打率を上げるのが難しい打ち方かもしれません。
この打ち方の良い点を取捨選択できるとよいでしょう。