Youtube動画からバッティングフォームを学ぶ

Youtubeにアップされているバッティングフォームに関する動画に解説を加えて紹介していきます。

バットを手のひらで握ることでインパクト強く、長打力アップ

一般的にバットは指で握ったほうがヘッドが走り、スイングスピードが速くなると言われています。

しかしここでは、アマチュアの選手は手のひらで握ったほうがいいのではないかという観点で解説がなされています。

 

この考え方を提唱している前田健氏は野球の動きをスポーツ科学に基づいて研究されてきた方で、星野監督時代の阪神タイガースでスタッフを務めたのち、野球塾を運営されています。

youtu.be

(2019年10月18日 BCS野球動作解説TVより)

 

youtu.be

(2019年10月21日 BCS野球動作解説TVより)

肩甲骨と胸郭の可動域が小さいと腕に頼ったスイングになる

握り方の話をする前に上半身の使い方について説明しています。

スイングする際は、トップからバットを下ろす途中までは腕の動きをメインにバットを動かしますが、押し手側の肘が体側に付くか付かないかのあたりからは腕の動きよりも胴体の回転でスイングします。

 

この胴体を回転する際に大切なのが肩甲骨と胸郭を使うという点になります。

プロ野球やアマチュアトップレベルの選手は肩甲骨と胸郭の可動域が大きいため胴体を十分に使ったスイングができますが、可動域が小さいと腕の力に頼りやすくなります。

この時、ヘッドが走りやすいフィンガーグリップでバットを握るとこねたスイングになりやすいようです。

反対にパームグリップで握ると腕とパットがしっかり連動して1本の鞭のようになるため、こねにくいようです。

言い換えれば、上半身がしっかり回転するのであれば握り方はどちらでもよいのです。 

パームグリップの方がボールを強く打ち返せる

バットを握るとき、指で握ると柔らかいスイングができますが、その反面バットを固定する力が弱くなります。

つまりボールに押し負けやすくなるということです。

ヘッドが走ってもボールの衝撃に負けて、結果的に飛距離が短くなってしまいます。

 

一方手のひらで握るパームグリップの場合はスイングの柔らかさが出にくくなりますが、バットをしっかり握ることができるため押し返す力が強くなります。

ボールの力に負けないスイングができるのです。

ヘッドが走らなくなるという懸念はありますが、ヘッドに遠心力を伝えるスイングができていれば、上半身の回転のスピードだけでスイングの力をしっかりボールに乗せることができます。

流し打ちで思ったよりも飛距離が伸びた時は手首を返さずに強い当たりを打ったことになりますが、この時のスイングをイメージするとわかりやすいかもしれません。

なお、手首の力は腕や胴体と比較するとごくわずかです。

手首を返すよりも返さずに固定したほうが結果的に飛距離が伸びるとも考えられます。

まとめ~フィンガーグリップは草野球向きか~

ここでは上半身がしっかり回転するのであれば握り方はどちらでもよく、回転が不十分であればバットをこねないようにパームグリップの方がよいと説明されていました。

しかし、フィンガーグリップパームグリップには一長一短があり、どちらが絶対に正しいというものではありません。

動画ではパームグリップを推奨していますが、現に多くのプレーヤーはフィンガーグリップで握っています。

 

この2つの握り方はバットを固定し、ボールを押し返す力で違いが大きくなります。

フィンガーグリップはヘッドが走る一方で押し返す力が弱くなり、パームグリップはヘッドスピードが落ちるものの押し返す力が強くなります。

そのため、自分がプレーしているレベルに合わせて選択するというのも1つの考え方かもしれません。

 

硬式は軟式と比較してボールの押す力が強くなります。

そして投手の球速も低いレベルでも110キロ以上、高いレベルになると140キロを超えてくるため、より一層ボールがバットに食い込んでくる力が強くなります。

そのため、硬式ではパームグリップの方が適当と考えられます。

高校野球で弱小校に所属している場合は投手の球速が遅いことと、芯の広い金属バットを使用していることで打った時の衝撃を感じることが少ないかもしれませんが、速球派と対戦することが多い場合はボールをしっかり押し返すためにパームグリップの方がよいでしょう。

芯の狭い木製バットを使用している大学・社会人であればなおさらです。

 

一方ボールが固くなったとはいえ、軟式の場合はフィンガーグリップでも通用する可能性が高いでしょう。

大学・社会人の強豪には140キロ投手も存在しますが、ビヨンドマックス等のバットによりボールの衝撃を吸収して打ち返すことができますし、中学生や草野球で110キロくらいの投手を相手にしている場合、打った時の衝撃はほとんどありません。

そのため、軟式でフィンガーグリップの方が打ちやすいというバッターは特にスタイルを変えることはないでしょう。